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霊山歩 ~マンネリズムの彼方へ

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賃貸アパートの入居者が部屋で病死①~発見までの過程

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管理人の仕事は不動産管理会社の従業員です。先日、管理している物件の部屋内で入居者が病気で亡くなってしまいました。

仕事の話をブログ記事にするつもりは無かったのですが、仕事の中でもインパクトのある出来事ですので一記事として掲載することにしました。

それに間もなく定年退職ということもあるので、面倒な事の顛末を備忘録として残そうという思いもあります。この仕事に就いて15年ですが、このケースはこれで5回目。

一般的に入居者が亡くなった場合は連帯保証人が(ご遺体引取)(室内残置物処分)(貸部屋返還)ということを行います。ところが故人は連帯保証人がいないレアケース。

入居者は71歳の男性。生活保護者で身内はいない。新規契約時の連帯保証人は某保証会社であったが、その保証会社が潰れて保証人がいない状態。別の保証会社も審査が通らず。

生活保護者の場合は(ご遺体引取)(ご遺体の火葬)(お骨の供養)までは役所がやってくれます。ところが故人が住んでいた部屋にある家具等は何も片付けてくれない。

役所は故人の遺物についてはノータッチなのです。保証会社に加入の場合は(室内残置物処分)を保証会社がやってくれますが、故人は未加入ですから管理人のほうでやることに。

入居者の異変を知るきっかけは①新聞が溜まっている②悪臭③近隣からの通報④家族からの調査依頼⑤家賃滞り、というのが主な項目です。

今回は(⑤家賃の滞り)で発覚。いつも月初に家賃を持参する人が1週間経過しても持ってこない。本人の携帯に連絡しても「電波が届かないか電源が入っていない・・」で不通。

そこで嫌な予感がしたので役所の担当に電話をする。すると役所の方でも来るべき日に来ないから気になっているとのこと。そうなると行方不明か部屋で倒れているかのどちらかだ。

この場合は合鍵で部屋を空けて中を確認するのだが、絶対に大家・管理会社や役所の担当だけでやってはいけない。第一発見者になると半日以上の事情聴取を受けることになってしまう。

そこで事前に警察に説明して警察官に合鍵を渡して扉を開けてもらうようにします。要するに警察官に第一発見者になってもらうのです。それに悲惨な内部を直接見たくないですからね。

ということで、役所担当と警察と待ち合わせて合鍵を持参して現場に向かいました。ちょっと早く着いたので部屋の前に様子を伺いに行くと電気メーターが勢いよく回っている。

換気扇も回っていて外廊下に排気している。その排気に僅かながら(死臭)を感じる。その瞬間に(あ、ダメだ!)と直感した。さすがに5回目だと臭いや気配で中の状態が判ってしまう。

シャンプーしていない犬の臭いに似ているが少し違う。嗅ぎたくない独特の嫌な臭いだ。電気メーターが勢いよく回っているのはエアコン等の電気製品がフル稼働している証拠。

電気メーター的には部屋の中で普通に生活している感じだが悪臭がする。これは亡くなっているパターンだ。気持ち悪いのと怖いのとで早々に建物の外に出て警察官を待つことにした。

しばらくして警察官と担当のケースワーカーが到着。警察官の中には鑑識官も3人いて(室内で死亡していることを前提)での構えだ。そこで悪臭のことを告げ合鍵を渡す。

部屋の前に行くとすぐに鍵を開けずに何か色々と準備している。ドアに鍵を挿した状態で指をかけて「○月○日○時○分」とか言いながらの写真撮影はまるでドラマのようだ。

そして鑑識官の一人が扉を開ける。内部を見て(倒れてますね。ダメなようですね)とこちらを見ながら冷静に状況説明。覚悟していたが残念な結果を伝えられたことになった。

管理物件の入居者で毎月お会いしていた人でしたから(○○さんご冥福をお祈りします)、という気持ちにさせられたのは言うまでもない。

次回は現場検証とご遺体搬出のレポートです。

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