さらに１週間が経過。死亡確認から２週間だ。そろそろ悪臭の元を断たなくてはならない。気になるのは布団と冷蔵庫の中身だ。
その後は連絡がないので区役所の担当に確認すると、残置物を撤去処分して構わないとの回答。それを受けて再消臭と残物処分を再開する。
再度入室したが悪臭は相変わらず酷く臭う。据え置き型の消臭剤の効果を期待していたのだが、これは効果が全く感じないほどに無力である。
やはり悪臭の元を断っていないので消臭剤設置しても無意味だったようだ。とりえず窓を全開にして消臭スプレーを部屋全体に降りかける。前回同様にスプレーした瞬間は臭いが消える。
その日は（布団）（冷蔵庫の中の生もの）（衣類）を部屋から出して処分した。（布団）は粗大ごみに出すので回収日までは地下に保管することに。
（衣類）は４５Lのごみ袋１０袋分の量になった。（冷蔵庫の中の生もの）は同じごみ袋１袋で済んだ。燃えないごみやその他はまた後日にやることにした。
↓衣類と布団を撤去後の室内
ところで、残置物の中にお金（現金）は全く無かった。１円玉すら落ちていなかった。なぜそんなことを今さらと思うかも知れないが、このようなケースは１００％そうなるのだ。
死亡する前日まで普通に生活してたわけだから、常識的に考えて生活費として現金が少々あることが当たり前だ。お金を使い切ったとしても数十円単位は残っているはず。
入居者が救急搬送されて病院で亡くなった場合だと僅かな金額ですが１００％現金が残っています。大体１,０００円～１０,０００円の範囲ですかね。勿論小銭も当然あります。
でも入居者が部屋で亡くなった場合は１円も残っていない。今回で５回目の経験ですが５回とも残っていない。（最初に入室して作業した人）のポケットの中に消えたのでしょうね。
笑えるのは腕時計やその他の高価な物は手を付けない。現金だけが根こそぎ消えてしまうということです。親族や相続人が現れた時の用心で現金だけにしているのだと思います。
区役所に遺体と鍵を返却する際に毎度のことですが「部屋に現金はありませんでした」という報告もされています。区役所の担当ともこの話で盛り上がってしまいました。
とりあえず証拠もないことですし（遺体搬出等の汚れ仕事をやってもらったのだから）「ご祝儀」ということにしましょう、ということで割り切ることにしています。
確かに（遺体搬出）まで大家や管理会社がやることになったら一大事です。それを無料でやってくれたのだからありがたいことです。ですから（名指し）はしませんよ。
・・話は戻って、悪臭（死臭）の元の布団を撤去しましたが、その数日後に部屋に入った時も悪臭がしました。やはり死臭というのはしつこくて強烈だ。
悪臭の発生源の体液が浸みこんで黒く変色してしまった床の一部はどうにもできません。黒い部分に洗剤や消臭剤をかけて簡単に拭いてみましたが臭いや色に変化はありません。
完全消臭するには床をリフォームするしかなさそうです。そして長時間に渡り部屋の空間が悪臭に満たされていたので、壁紙や家具にも悪臭が染みついてしまっています。
それと不思議なのが大きなハエです。密閉された空間で遺体が腐敗してウジがハエになったのですが、密閉された空間でなぜウジが湧いて大きなハエが誕生するのでしょうか？
「大きなハエ」が室内に侵入して卵を産み付けるなら納得ですが、ダクトの隙間等から侵入出来るのは「小バエ」だけです。小バエが成長して大きなハエになるのかな？
廃棄する布団には１㎝位の黒い蛹（サナギ）みたいなものがたくさん付着していました。これから成虫バエになるのでしょうけど大きなハエになりそうです。
冷蔵庫の中も冷えているのに（生もの）に虫が湧いていて、小さい蟻んこみたいな虫が集っていました。冷蔵庫で冷やしていても虫は湧くのはわかるけど侵入経路が不明だ。
冷蔵庫はピッタリと閉まっていました。このへんのハエや虫の生態が（謎）ですね。気持ち悪いしどうでもいいことだから改めて調べるつもりはありません。
さて、今回でこの話は終わりにします。今までの路線とは違って気持ち悪い記事になってしまったことをお詫びします。
入居者に「部屋や廊下をごみ屋敷」にされてしまった、というエピソード等もありますが、それはまた気が向いた時にでも報告させていただきます。
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