事故等に遭遇して映像がスローモーションになるように感じることを、近年ではこれを「タキサイキア現象」と呼んでいます。(タキサイキア)とはギリシャ語で「頭の中の速度」の意味。
色々と研究はされているようですがまだ完全には解明されてはいないようです。意図的に発動させるのはなかなか難しい現象。だから科学的な検証も簡単には出来ないようです。
本人が「死ぬかも」と本気レベルで感じないと発動しないものだから、研究するにしても簡単には実験は行えない。従って正確な実験データは数が少なくデータ不足のようです。
その科学の仮説として、スローモーション現象が「脳の誤作動」で引き起こされたものとする考えがあります。実際に体験した管理人としてはむしろその逆だと言いたいですね。
管理人の場合は何がどうなったか一部始終を覚えています。腕のある場所にトラックのサイドのパイプのフレームのボルトナット部分が当たったことを鮮明に覚えています。
事故後に確認したところ、その腕の部分にクッキリと6角形のナットの形状が判子のようにアザになっていました。コンマ何秒に起きた一連の状況を正確に再現できます。
ぶつかった瞬間の順番も覚えていて①右肘②右膝がぶつかり③その後オートバイごと吹っ飛ぶ④吹っ飛んで宙に浮いた瞬間にハンドルから手が離れる。頭は一切ぶつかっていない。
ここまでは手に取るようにはっきりと記憶しています。オートバイの損傷もぶつかった記憶の通りの損害箇所で、怪我の場所も記憶の通りの場所でした。
コンマ何秒の中で走馬灯のような記憶の再現や、後悔の念等の思考が溢れ出ます。それと同時に事故状況を目で見て正確に把握しているのです。これは誤作動とは反対の性質のもの。
誤作動ではなくて超作動というか完全超覚醒状態というべき状態です。これだけの量の思考が駆け巡るだけでも、通常の状態ならば1分以上の時間は必要になるはず。
思い返せば同時に複数の思考が頭の中を駆け巡っていて、それらを冷静に受け止めている自分がいて、さらに目の前に起こっている一瞬の出来事を正確に記憶している。
まさに一瞬だけ聖徳太子の伝説のマルチ処理頭脳みたいになるようだ。残念なことは身体だけは素早く動けないこと。動けないけど脳の回転だけは異常に上がる感じ。
これは、言葉を変えれば「火事場の馬鹿力」と昔から言われているものと同じものかも。人間誰にでもある(緊急時の馬鹿力)です。一瞬、天才になり力持ちになるそれです。
馬鹿力(バカチカラ)の発動と同様に異常な防御力が発動して脳の機能がフル回転して、ジョジョ承太郎の「ワールド」発動と同じような時が止まったような世界に突入するのかもです。
そして身体を動かすスピードは上がらないが、パワーの馬鹿力は発動しているような気がします。管理人はその瞬間にハンドルを強く押して踏ん張ったことで頭を打つのを回避しました。
普段の力とは異なる異常に強い力が出て頭を守ったとも言えます。こんな経験は人生に1度か2度で十分ですね。何度も経験したら命を削ることになり寿命が縮まるような気がします。
管理人としては、もう二度とスローモーション現象は味わいたくないですね。恐怖の極限に発現するものだから、その時はコワーイ恐怖に対面しているわけです。味わいたくないなぁ。
そしてその体験の後にケガの痛みと治療が待っています。色々と後のことを考えるとやっぱり嫌だ。「タキサイキア現象」話は面白いですが体験しないほうが平和でよろしいかと思います。
ちなみに、病院を退院した後も国産逆輸入車を何台か乗り換えて、最後に1100ccに乗ってオートバイを卒業しました。幸いにその後は事故はありませんでしたよ。
若い頃の自分って懲りない奴だったんだなぁ、と今さらながらに呆れますね・・。これでスローモーション現象の話はオシマイです。
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