先日バイクが突然調子が悪くなってしまい、自宅から約10km離れたところでエンジンが停止した。これには本当に参りましたね。古~いバイクだから仕方ないけど、まさかでしたよ。
半年前は往復200km以上のツーリングも走っていたので、この突然の不具合は全くの想定外。不調の始まりは7㎞走ったあたりから、エンジン回転が2,000回転から落ちなくなりました。
それでも騙し騙し走っていたら、やがてマフラーからパチンという音がしてエンジンストール。それからはエンジンがかからない。・・ここからは地獄の苦行の始まりです。
管理人の250ccバイクはバッテリーレスのキック仕様です。従ってエンジン始動はキックでやるしかない。だからエンジンがかからない場合は永遠にキックを繰り返すしかないのです。
30回ほどキックをやっても動かない。30度超えの真夏の始まりですから、暑くて喉がカラカラ!とりあえず近くのコンビニまで押して行って、スポーツドリンクでも飲んで仕切り直しです。
幸いにしてコンビニは200mくらい先にローソンがあった。トイレもついでにと思ったら、トイレはコロナウィルス対策で使用禁止になっている。ふざけんなよ!という感じだ。
給水してキックを再度30回やるが、全くかかりそうにもない。面倒だが点火プラグの点検からやるしかさそう。でもプラグの締め付けトルクを忘れている。外しても付けなくてはならない。
こんな時に役に立つのがスマホの検索だ。ググると手締めから1/8回転の45度とある。昔なら当て勘でやってしまい別の故障を引き起こす可能性もあったわけだ。ネットって助かりますわ。
さらに「バイク 回転が落ちない」などで検索すると、不具合は二次エアーの吸い込みの症状らしい。要するに余計な空気が流入して、ガソリンと空気の混合比が狂うからそうなるとある。
古いバイクだからパッキンだか何かが劣化したようである。そんなものは、ここでは直せない。点火プラグを外すと真っ黒で濡れている。とりあえずティッシュで拭きながら考えてみた。
最近はキャブレター調整が決まらなくてかなり濃い設定にしていた。それは二次エアーを吸い込んでいたから、ガソリンを濃くしないとバランスがとれなかったからだ。原因が何となく判明。
元々、二次エアーを少し吸い込んでいたところに、今回はそれが一気に悪化して二次エアーを大量に吸い込むようになった、というのが管理人の見立てです。だったら乗っては帰れない。
JAFに相談したいところだが、生憎なことに数年前に脱会してしまったのだ。この近くや帰路にバイク屋もなさそうだ。普通に陸送を頼むのは、とんでもない価格になりそうだから却下。
自宅まで約10kmで上り坂が3~4箇所ある。徒歩でバイクを押して帰ることができるのだろうか?空身で歩いても2時間以上かかる。しかもこの暑さだから、熱中症になることもありえる。
この時は(お先真っ暗)の泣きそうな気分でしたね。・・点火プラグを拭いて再装着してキックするとエンジンがかかった。しかし回転は高いままで1分もするとエンジンストールで停止。
どうやら巡行走行は出来ない感じだ。ならば、押せるところは押して歩いて、上り坂はなるべくエンジンかけて上るという作戦でやることにした。それで行けるところまでいってみよう。
先ずはエンジンをかけてバイクに乗ってコンビニを後にする。今にも止りそうなエンジンの不安定さだ。案の定、500mほど走ってエンスト。やっぱりダメだ。苦行は必定になってしまった。
一度エンストすると簡単にエンジンはかからなくなる。始動のための連続キックも段々としんどくなってきた。どうやらエンジンが暖まると症状が悪化して、キックしても始動しない感じだ。
汗だくでキックをしながら、ふと昔の野球漫画の一コマを思い出した。地獄の「千本ノック」のシーンを!・・これは千本ノックではなくて地獄の「千本キック」だ。下らねぇ・・。
青春時代の元気溌剌ならわかるが、既に63歳を超えて老人の域にさしかかっている管理人。「千本キック」なんかやった日には歩けなくなりそう。とにかく体力と相談しながらやらないと。
そう、キックばかりやっていたら疲れて体力を消耗するだけ。ここは頻繁なキック始動はやってはいけない。もしセルモーター仕様だったら、とっくにバッテリーが上がっているに違いない。
なるべくバイクを押して歩いて、エンジンが冷えたら始動を試みるという方法しかない。必然的に押して歩く距離のほうが長くなる。改めて気が遠くなるような気分に襲われましたよ。
途中、交番の前でバイクを押しながら警察官に向かって「いや~、動かなくなって押して帰っています」といったら、「お疲れ様、ご苦労様です!」と労いの言葉をいただきましたよ。はい!
結局は、エンジンは暖まっている時はかからず、点火プラグが濡れている時もかからない。そして動いても信号で止まるとエンストです。信号がなくても800m程度しか走れなかった。
道中は点火プラグを2回拭きました。二次エアーは不完全燃焼を引き起こすので、燃焼しないガソリンがプラグを湿らすのです。そんなこんなで計5回ほどエンジン走行したでしょうか。
走れた距離の平均が1回につき600mとすると、走行5回×600mで帰路のうち(約3kmは走れた)という計算です。で、押した距離は10km-3kmで「7km」となります。キツかったなぁ。
上り坂は3回、押して上りました。坂の手前でエンジンをかけようとしても、かからなければプラグを拭かなくてはならない。それが時間のロスとなるので、押したほうが精神的に楽でした。
結局、帰路時間は合計約3時間を費やしました。自宅からあと1kmに迫って見慣れた景色を見た時は、感動がこみ上げてホッとしました。ここまで来たら帰ったも同然という安心感ですね。
ここにきて、ようやく周りの目線が気になるようになりました。結構、周りの視線を集めているようです。今どき、バイクを押して歩いている人なんて滅多にいないですからね。
しかもバイクを押して歩いている者が初老の爺さんだから、より一層不自然に見えたのだろうと思う。まぁ、当の本人は必死にバイクを押して、自分との闘いに没頭していただけですけどね。
自宅にたどり着いた時には足腰腕の筋肉が萎えて、汗だくのヘロヘロ・くたくたでした。我ながら、よく頑張りました。63歳の自分を見直しましたね。やれば出来るんだなぁと!
さて、故障の原因ですが(たぶん)インテークマニホールド(インシュレーター)のOリングパッキンの劣化ですね。インシュレーターのエンジン側からのエアーが流入している感じ。
Oリングは370円+送料。注文して届いていますが、はっきり言って送料のほうが高いです。たった数百円のパーツの劣化で、もの凄い修行・苦行をさせられたわけです。笑えますね。
修理はDIYで行うつもりです。修理が終わりましたら、その詳細をDIYカテゴリーにアップする予定。もしかして全く違う原因であった場合は、DIY修理はとん挫するかもです。
こんなキツい思いをする経験は滅多にないので、自分に対しての備忘録としてブログにアップしました。もう一度同じことをやれと言われても、絶対にやりたくないです。絶対にね。
でも、お金をくれるなら考えますが、5万円ではやりたくないなぁ。10万円で迷うところ。30万円くれるなら・・やりましょう!もう一度。・・いやいや、冗談です。もう無理だ。
え?「千本キック」の刑はどうなったって?・・キック回数は千本には届いていませんね。・・そうですねぇ、数えていないけど当日のキック回数はざっと5~600回位でしょうか?
1度の始動トライで30回はキックしました。コンビニ休憩前に3度のトライで既に約100回です。その後は10回以上は始動トライしています。今はキックを見るのもうんざりな気分ですよ。
しかし本当に疲れました。その後は1週間以上、疲れがとれなかった。そのあたりは年のせいですね。もう、このような経験はしたくないです。それではまた!
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