国師ヶ岳(こくしがだけ)標高2,592m。北奥千丈岳(きたおくせんじょうだけ)標高2,601m。北奥千丈岳は奥秩父で標高が一番高い山です。ですが隣の国師ヶ岳のほうが知名度は高い。
「国師ヶ岳」は花の百名山・山梨百名山に選ばれています。奥秩父の中で「北奥千丈岳」は日本百名山の「金峰山」や「瑞牆山」、そして隣の「国師ヶ岳」に比べて地味な存在です。
「国師ヶ岳」には45年前、高校生の時に一度登っています。当時は新宿駅発23:55の鈍行夜行列車に乗って向かったような・。その登山者ご用達の夜行列車には何度もお世話になりました。
その電車、いつも満員で皆さん床に座ったり寝転んだり。今では見られない光景でした。懐かしいなぁ。また乗ってみたい気もしますが、昭和50年代には廃止になってしまったようです。
今回は(大弛峠)標高2,360mまでマイカーです。そこに車を駐車させての往復ルートにしました。ちなみに大弛峠(おおだるみとうげ)は自動車車両が通行できる日本最高所の車道峠。
峠と山頂までの標高差はたったの240m。標高約2,600mの山頂まで徒歩約1時間程度。・・これって標高2,500m超えの山の中では、マイカー駐車場から最短で行ける場所かも知れません。
大弛峠への道の(林道:川上牧丘線)は12月1日~5月31日は通行止めになります。ですので6月~11月の半年間しか利用できない。狙い目は空気が澄む秋~晩秋の今頃が眺望が楽しめます。
ということで10月31日の土曜日、東京を早朝6時に出発。中央自動車道を利用して勝沼ICで降りて大弛峠に向かう。大弛峠に到着したのは9時前。駐車場は既に満杯で路肩駐車がちらほら。
何となく8時前には駐車場が満杯になるような感じだ。管理人も峠入口近くの路肩を確保して駐車。リュックの中身を確認し登山靴に履き替えて、峠のトイレで用を足して出発です。
大弛峠の登山者の多くの皆さんは「金峰山」方面に向かいます。実は大弛峠は「金峰山」の最短玄関口でもあります。さすが日本百名山の「金峰山」!「国師ヶ岳」とは人気が違いますよ。
静かな山旅を楽しみたい人は「国師ヶ岳」を目指しましょう。登山口のちょっと先に山小屋の(大弛小屋)がある。小屋を左に見ながら直進すると、そこから登山道の木道階段が続く。
階段を黙々と登っていくと、途中に(夢の庭園)との分岐が出現。(夢の庭園)経由でも山頂に行けるが、帰り道に寄ることにして左ルートを選択。その先も木道階段だ。想定よりも長い。
整備されることは大歓迎ではあるが木道にした場合は、雨降り等で表面が濡れて湿っていると滑って歩き難いと思う。この木道階段は「国師ヶ岳」までの行程の半分位まで続いていた。
木道が終わり普通の山道をしばらく歩くと、高い木が無くなり明るくなってくる。展望が開けると「金峰山」や「南アルプス」が目の前に現れた。金峰山の横には「中央アルプス」も見える。
間もなく「前国師岳」2,570mに到着。ここも木々はなく眺望はとても良い。その先、登山道は「国師ヶ岳」と「北奥千丈岳」の分岐地点となる。ここからどちらにも5~6分で行けるようだ。
「国師ヶ岳」でランチの大休憩をする予定なので、ここは迷わずマイナーな「北奥千丈岳」を先に目指す。その「北奥千丈岳」ですが、想像を超えた360度の大展望でビックリ!凄かった。
金峰山・八ヶ岳・南アルプス・中央アルプス・浅間山・雲取山、そして「北アルプス」の中北部までクッキリ見えている。こんな景色を拝めるのは何年振りだろうか?5年前の塩見岳以来か。
残念ながら(霊峰富士)だけは見られない。これで「富士山」が見えたら、奥秩父の人気上位になることは間違いないだろう。「富士山」が見えないというのは、かなりのマイナス点です。
「北奥千丈岳」は到着直後は私たちしか居なかった。まさに貸し切り状態。晴天に恵まれ大気もそこそこ透明感がある。そして想定外の無風だ。しばし、時を忘れて写真撮影三昧に浸る。
「国師ヶ岳」へは来た道を戻り分岐に至る。ここから「国師ヶ岳」まで約15分の距離だ。「国師ヶ岳」はもっと凄いかな?と期待に胸を膨らませて移動。「国師ヶ岳」は人で賑わっていた。
「富士山」が真正面にドーンと構えている。・・それが人気の理由のようだ。でも富士山と南アルプス北部と中央アルプスに金峰山しか見えない。180度展望という感じであった。
関西弁の人が居たので、どこから来たのか尋ねてみた。彼女たちは大阪からはるばる来たそうな。「国師ヶ岳」と「北奥千丈岳」のどちらがいいか聞いたら、やっぱり「国師ヶ岳」という。
大阪から富士山は見るのが困難らしいので、「富士山」の眺望は捨てがたいらしい。それと「国師ヶ岳」から(標高1位2位3位)=(富士山・北岳・間ノ岳)が山頂から見えるのも魅力だ。
管理人は「国師ヶ岳」も「北奥千丈岳」も甲乙つけ難い感じ。でも「富士山」は年に何回も見るけど「北アルプス」は見れない。そういう事情を考えると、「北奥千丈岳」に軍配を上げたい。
ここでランチライム。お湯を沸かして定番のカップ麺とコーヒーをいただく。標高2,600m付近でのランチなんてそうそう出来ない。そう考えるだけで一段と美味しさが増すから不思議だ。
帰りは「夢の庭園」に立ち寄ってみた。大弛峠から20分程度の展望台だ。登山者ではない人が「夢の庭園」の景色を目的に来る場所だ。ここも富士山は見えないが眺望はかなり良い感じ。
南アルプス~北アルプス~浅間山までは見通せた。その「夢の庭園」に着いたタイミングで浅間山から噴煙らしき黒いのを発見。それも撮影出来た。ラッキーなシャッターチャンスだった。
大弛峠に戻ると朝よりもさらに車が増えていた。峠の手前と先はずっと路駐車の列がつながっている。人気の峠なんだと改めて感じましたね。今回は手軽で楽ちんで良い山旅でした。
紅葉には遅かったようで終わってしまった感じでした。また来年の秋に来て絶景を味わいたいですね。うん、また来年も行きましょう。以上、「国師ヶ岳」と「北奥千丈岳」でした。
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