バイクが(たぶん)二次エアー吸い込みで走れなくなった。ある程度走れるならバイク屋に持ち込みたいが、すぐに止まってしまうので自分で直すしかない。とは言っても経験ゼロだ。
ここまでバイクの修理なんてやったことがないド素人。40年前頃の昔はビックバイクを何台か乗り継いだ。でも乗るだけでメンテは全て業者任せ。機械いじりは不得意だった気がする。
バイク所有はその後ずっとブランクが続き、昨年に古いキャブレタータイプの単気筒250ccバイクを購入。スズキのDR250Sというオフロードバイクだ。特徴は純正でバッテリーレス仕様。
購入後は200km超えのツーリングを何回か走った。そこそこ普通に走れていた。それが先日、突然、絶不調になってしまって、エンジンがかかっても1分もしないで止まるような状態に。
今振り返ると前兆はかなり前からあったようだ。読者のなかにはバイク所有者もいると思うので、不調に至った経緯を詳しく話すので参考にして下さい。興味のない方はスルーしてね。
・・購入後に点火プラグを見たら真っ黒だった。社外マフラーが付いているので、ガスは濃い方向にするのはわかるけど。これはやり過ぎだと思った。とりあえずプラグを新品に交換。
そしてキャブレターのパイロットスクリューをいじりガスの濃さを調整。サービスガイド記載のガソリンの濃さにしたら・・スパン・パンパンパン!とアフターファイヤーの嵐になった。
それで走りながらガスを濃い方向に調整して、行きついたところが購入時と同じ位のガスの濃さになった。それで走るとガスが濃すぎだからプラグは真っ黒になっていた。意味不明でしたね。
それ以上にガスを薄くすると、時々エンジンストールで交差点で止まってしまうこともあった。まぁ、古いバイクだから(こんなもんかな)と、それ以上は深く追求せずに乗っていました。
それで2ヶ月前くらいまでは(ちょっと調子悪い)程度だったのが、1ヵ月前あたりから(かなり調子悪い)に悪化。エンジンが暖まるとアイドリングが不安定になる症状が出てくる。
アイドリング不安定で時々エンストするようになった。キャブレターのパイロットスクリュー調整でガス調整してみても、どうやってもしっくりこない。そして先日の絶不調の訪れに。
絶不調の症状は→①(始動しても勝手に回転が上がってすぐにエンストする)・②(エンジンが暖まっていると再始動出来ない)・③(エンジンの回転が2000回転以下に下がらない)
以上の経緯と症状から推理すると「二次エアーの吸い込み」だと断定。(エンジンの回転が勝手に上がる)のは、エアーを吸い込んでアクセルを開けた状態のようになるからだと思う。
回転が勝手に上がって(すぐにエンスト)するのは、空気ばかりでガソリンが足りないからだ。そしてガスを濃い設定にしてしまったのは、二次エアー吸入でガスが薄くなってしまうからだ。
そして修理のヒントが(エンジンが暖まっていると再始動出来ない)という症状。エンジンが熱くなると空気を吸い込んで始動不可になるということ。→エンジンとの接点部分である。
エンジンとキャブレターの間にあるインテークマニホールド(インシュレーター)のOリングがヘタると、熱で気密が甘くなり空気が流入するらしい。そう、この「Oリング」に違いない!
ということで、インシュレーターのOリングを交換をやってみた。手順はインシュレーターを外して、インシュレーターに装着しているOリングを外して新品に交換する、という作業。
バイク修理に欠かせないのは「パーツカタログ」と「サービスガイド」。「パーツカタログ」で部品の品名・型番を調べて修理部品を購入。「サービスガイド」で組立構造の確認だ。
今回の修理はタンクやシートは外さなくても出来そうな感じ。そこで現状のままインシュレーターを外してみようと思う。インシュレーターはエンジンに六角ボルト2箇所で固定されている。
ボルトを外せば本体も外せそうだ。早速、5mmの六角レンチを購入してトライしたのだが。奥行が狭くレンチが回せない。これではボルトを緩めることが出来ない。困ったことになった。
さらにこの六角レンチだと力が入れにくい。力を入れたら棒だけ曲がってしまうはず。ネジは強く固着している感じ。直感的に(この形状の細いレンチでは回すことは出来ない)と思った。
それと回せないだけではなく、六角の溝をナメてしまいそうだ。このへんの判断はDIYや住宅リフォームの経験が活きている感じ。とにかく工具・道具の良悪はDIY成功の重要な鍵になる。
そこで改めて狭い場所にある六角ボルト対策を検討。そして、これだ!と思った道具がアストロプロダクト社の「超ショートヘックズビットアダプター」1,078円・・これしかないと思った。
信頼出来る他の国産メーカーに同様の製品はなかった。まさに唯一無二のアイテムだった。通常はメガネレンチに付けて使う仕様だが、スパナ(レンチ)で回すとさらに狭くても対応できる。
他に薄型12mmのKTC製メガネレンチと、固着ネジ対策に潤滑浸透剤のワコーズのラスペネCを購入。ラスペネCはCRC556の数倍の威力らしい。価格も556の3倍以上の2,000円超えだった。
このラスペネCが今回の買物の中で一番高くついた。ついでにインシュレーターとOリングのゴム系の保護剤として、シリコンスプレー(313円)も必要なので購入。こちらは逆に激安だ!
これで工具・道具の準備は万全なはずだ。これらのアイテムを使っても外せない場合は、シート・タンク・キャブレターを外してやるしかない。あとは作業中に暑さに耐えられるかどうか?
作業は家の屋外にある駐輪スペースで行う。室内のエアコンで冷えた空間ではない。最近は猛暑のピークで、連日37度~38度超えを記録している。外気温は朝9時には既に32度を超える。
バイクが故障して押して歩いた日は、梅雨明けの最高気温が30度の日だった。もし今の猛暑だったら押して帰るのは無理だったに違いない。30度を超えてからの数度の上昇は厳しいです。
管理人は暑さには人一倍弱い。作業は2時間が限界だろうと思う。熱中症には絶対になってはいけない。でも作業に没頭してしまうと、何もかも不注意になってしまう性格。気を付けないと!
翌日の朝9時過ぎに作業開始。先ずはメガネレンチにビットアダプターを付けて、六角ボルトの頭に入れて、ん?・・ガ~ン!右側のボルトには入らない。左側は何とか回せそうだ。
ラスペネはゴム系には良くないらしいので、どうしてもの時まで使わずレンチに力を込める。すると意外に簡単に動き始めた左側のボルト。前回のやわな六角レンチとは雲泥の差だ。
右側はビットアダプターをスパナで回してみた。右側は上方に持ち上げるように回すので体重はかけられない。下から上にたたくようにしながら、何度かガンガンやったら動いてくれた。
ある程度動けば指で回すだけだ。もっと固着してカチカチだと思っていたので、ちょっぴり拍子抜けです。悪戦苦闘を覚悟していた作業が終わった。ここまで段取り準備時間入れて約1時間。
ここまでは順調だったが、インシュレーターがキャブレターから外せなくて・・これが悪戦苦闘になってしまった。隙間の遊びがないのでコジッても外れない。ここでかなり悩みましたね。
それで、キャブレターから外すことは諦めて、Oリングだけを交換することにした。右側にコジるとインシュレーターの裏側がみえて、Oリング交換だけなら出来る感じになっている。
既存のOリングをとってシリコンスプレーして新しいOリングを付ける。いとも簡単に出来た。既存のOリングは潰れて薄くなっていた。この状態だと二次エアーの原因はこれかもだ。
一応、エンジン側もパーツクリーナーを吹いて、簡単に汚れを落としてみた。そしてインシュレーターを元の位置に戻す。何となくキャブレターが斜めっているが気にしないことにしよう。
作業も段々テキトーになってきた。汗だくでかなりキツい。間もなく作業時間が2時間を超えます。集中力が切れそう。・・左右の六角ボルトを締めて、とりあえず形は元通りに戻った。
インシュレーターがテカテカして新品みたいな感じになっているのは、シリコンスプレーを吹きかけたからです。シリコンスプレーはゴムやプラスチックの保護艶出しに使えるのです。
以上で「インシュレーターのOリング交換」のレポートを終了します。調子が戻ったかどうかの検証は今日はやりませんでした。キックして始動する元気が残ってなかった。
たぶん軽い熱中症になってしまったようだ。吐き気がするし、脱力感が半端なかったので・・。何だかんだ3時間は灼熱の外で作業していましたからね。調子が悪くなって当然です。
ちなみにその後は気分が悪く食欲が無くなって、夕方までエアコンで冷えた室内で仮眠しました。それでも調子が良くならなくて・・。本当に危険な暑さとはよく言ったものです。ではまた。
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