棒ノ折山(ぼうのおれやま)、標高996m。奥多摩と奥武蔵の境(東京都と埼玉県の尾根上の境)にある山です。微妙ですが今回は奥多摩側から登ったので、奥多摩の山として紹介します。
変な名前の棒ノ折山ですが、この名前になった由来は諸説あります。山頂付近がドーム状の坊主の頭みたいだから、坊の尾根(ぼうのおね)が転じて(ぼうのおれ)になったという一説。
もっとも有力な説は、鎌倉時代の武士の畠山重忠が鎌倉に向かう途中でこの山にさしかかった時、手にしていた棒が折れたから、という話が由来で(棒が折れた山)→(棒ノ折山)となった。
実は管理人は(足が棒のようになり骨が折れるから)棒ノ折山だと勝手に勘違いしていた。今回調べてみて酷い認識違いにびっくり。とりあえず他人にテキトーな話をしなくて良かったぁ~。
最近の管理人はずっとハイキングから離れていた。とは言っても半年前は三頭山に登っているが、三頭山は二年前に既に記事にしているので紹介は省略。でも登山頻度は確かに減っている。
だから、このハイキングカテゴリーの記事は前回が2018年6月だったので、実に約2年ぶりの更新になってしまった。今さら気がついたが、2019年は一度も新しい山に行かなかったようだ。
行かない原因・理由は多々あるが、主な理由は仕事が不規則で安定しないからだったと思う。ところがコロナウイルス騒動の緊急事態宣言で、仕事も娯楽も奪われた状況になってしまった。
不要不急の外出自粛・他県への移動自粛・スポーツ施設の閉鎖・・。だからと言って、ずっと家に閉じこもるわけには行かない。でも買物スーパー内や地元の公園は人だらけで「密集」状態。
そこで考えた。夫婦で車で移動して、普段の日に東京の山に登るなら誰にも迷惑は及ばないのでは?普段の日なら山に入る人も少ないのでは?と。それでハイキングを決行したわけです。
さて、この「棒ノ折山」はどこから登っても標高差が結構ある。ガイドブックでは、どのルートでも標高差500m以上ある。最近は運動不足だから、少し楽なハイキングをしたいところ。
そこで地図と睨めっこすると、「棒ノ折山」の尾根の近くまで林道があるのを発見。その終点が成木峠となっている。それをストリートビューで確認すると、車を駐車出来るスペースがある。
さらに調べてみると、成木峠から10分程度で尾根の登山道に出れることが判明。推測だと成木峠は標高700m以上はありそう。そうすると標高差は2~300mということになる。ありがたい!
さらに成木峠から棒ノ折山までは、コースタイム1時間~1時間30分くらいと読む。以上を確認して成木峠へ。東青梅から成木街道に入り、途中で左に入って成木峠に向かう。この道は狭い。
ここは自転車のヒルクライムコースになっているようだ。ゴール(成木峠)まで〇kmというような指標がいくつもある。下りの自転車との衝突が怖いが、この日は自転車は皆無であった。
成木峠はちょっとした広場になっている。車は5~10台は置けるだろうか?駐車している車もなければ誰もいない。想定していたとは言え、その誰もいないことが不安にさせられる。
サイクリストたちのための簡易ベンチも設置されていた。湧き水の水場もある。飲めるかどうかは不明。さすがにトイレはない。誰もいない峠でゆっくり登山支度して用を済ませて?出発!
この道は成木峠までは舗装されているが、この先は道が細くなり未舗装で尾根の近くまで行っている。たぶん将来は尾根を越える道になるのかな?完成の頃には管理人はあの世だろうと思う。
ガイドブックにはない道なので、当然ながら案内標識はありません。峠の奥を背にして左手側にしか進む道はないです。先に行く道はそれしかないので迷うことはないので大丈夫です。
しばらく林道の出来損ないの道を上がって行くと、林道が終わりになる。そこが尾根の登山道の入口。目印は倒れた小枝ですね。ここで林道から道なりに進むと逆方向になってしまう。
林道と尾根は直角には交わっていないので要注意。ですので倒れた小枝を通り過ぎたら、左方向に鋭角に曲がらないと間違える。管理人はうっかりして道なりに少し進んでしまいました。
写真は枝を通り過ぎて、逆方向の登山道から撮ったもの。写真の左が上がってきた林道で、右の正面の空間が進む登山道になります。このブログを参考に出かける方はお間違えのないように。
皮肉なことに逆方向の登山道のほうがスッキリしているので、何となく歩いていると道なりに真っすぐに行ってしまう。また道なりに進む方向のほうが案内テープがたくさんある感じ。
この分岐付近には黒山への案内板があるので、その方向に従って歩いてもいいです。それと、ここから棒ノ折山の途中の黒山までは道が不明瞭。踏み跡がほとんどないので細心の注意が必要。
このコース、あまり歩かれていないようだ。でも注意深く観察すれば、登山道の区別判断は何とかできる。また登山道が尾根上にあるということも判断材料。尾根にいればOKだ。
なだらかで広い尾根でも谷に向かわなければ、ルートから大きく外れることはない。それと少ないが赤テープや青テープの目印があるので、それも頼りにすれば迷うことはないと思う。
根っこから根こそぎ抜けて倒れている枯れ木が何本かあった。どうなったら、このようなことになるのだろうか。台風の影響なのか、寿命が尽きたからなのか?さっぱり分からない。
うっそうとした樹林帯を抜けて明るくなってきた。山ツツジだろうか?ピンクの花が満開だ!今まで分かり難い暗い道を歩いてきたので、この花を見た時はホッとした気分になった。
ここでようやく案内標識が現れる。黒山まで0.6kmとある。平地なら10分程度だが山道だと2~30分はかかるか。このへんまで来ると道もやや明瞭に。でも相変わらず踏み跡は見られない。
「黒山」(842.3m)の山頂は誰もいなかった。考えてみると、ここまで誰にも会っていない。とても静かな山旅になっている。山頂の周りは木々に囲まれているので眺望は期待できない。
記念撮影を済ませ、早々に黒山を後にする。黒山は別ルートからの合流地点でもあるので、そこから先の登山道は踏み跡もはっきっりとして明瞭である。次のポイントは「権次入峠」だ。
「権次入峠」の手前に遭難者のレリーフがあった。「翔」という文字が長男の(翔太)の字なので、妙に気になってしみじみと眺めてしまった。何でも10歳の若さでこの世を去ったらしい。
このレリーフの先を登ったところが「権次入峠」ゴンジリ峠(892m)。単なる通過点であるが「黒山」よりも標高が高い。「権次入峠」は奥武蔵側からの登山道との合流点になっている。
「権次入峠」まで来ると「棒ノ折山」まではあと少しという感じ。この区間はすれ違う人が2名いて、前に歩いている人もちらほら。登山者が多い「棒ノ折山」だから人がいて当たり前か。
崩落した登山道に通行止めのバリケードがある。左に迂回路があるのでそれを進む。危険ゾーンは入らないようにと、ロープで仕切られている。それを登り切った先が「棒ノ折山」だ。
山頂には先客が2組。だだっ広い山頂に2~3組だけだと、まるで独占しているような気分になる。天気は残念ながら少しもやっていて、薄曇りのような感じで眺望がイマイチであった。
誰も使っていない東屋でお湯を沸かしてランチタイムだ。山で食べるカップ麺とおにぎりは格別!下界でカップ麺を食べても美味いと感じないが、山で食べると何故か美味しいから不思議。
ここまでの所要時間を計りたかったのだが、実は連れのカミさんが途中で足が攣ってしまってペースダウン。休み休み歩いたので想定の倍以上の時間を消費してしまったのだ。
でも楽ちんコースだから騙し騙し歩けたとも言える。長くキツいコースだったら途中で断念していたかもだ。ちなみに管理人は全く疲れなかった。汗もほとんど、かいていないかも。
帰路で不自然な土盛りがあるのを発見。鳥かクマか狸か鹿の仕業ですかね?一か所だけでなく数か所ありました。何だか気になるけど、さっぱりわからない。何か隠しているのかなぁ?
帰路は来た道をそのまま戻るだけなので、レポートは省略します。天気が薄曇りで眺望もイマイチでしたが、久しぶりのハイキングは楽しかった。また直ぐにでも違う山に行きたい気分。
ところが本日、山岳関係の4団体から「事態の収束まで山岳スポーツ行為を厳に自粛してほしい」と呼び掛ける声明が出ました。残念ですが管理人もしばらく登山を自粛するしかなさそう。
何をやるにしても、コロナウイルス騒動が落ち着かないとダメみたいだなぁ・・。緊急事態宣言が終わる5月の連休明けには、事態が終息することを祈るばかりです。ではまた!
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